大津企業景況調査
 
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(概 況)

景気回復感が継続

 

 

平成18年10〜12月期の大津企業景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数(景気動向指数)を採用している。DI指数は実数値などの上昇率を示すものでなく、強気、弱気などの経営者マインドの相対的な広がりを意味する。

 

 全体

全体的に景気回復感が継続している。全体のDI指数をみると「業況」は前期の+4から今期0で横ばいである。「売上」指数は+7から+9にさらに増加し、「採算水準」も+13から+10にさらに上昇している。「従業員」は+9から+15になり人員不足感がさらに高まっている。「資金繰り」は+5から+1に良化し、資金は借り易くなっている。

このように景気は全体に良くなっているが、業種間でバラツキがある。製造業、サービス業では「業況」がさらに良化し、建設業でも業況の好転がみられた一方で、卸売業、小売業では業況指数がまだマイナスで改善は進んでいない。

 

 建設業

DI指数をみると「業況」は前期の0から今期6に改善している。「売上」が+10から+17にさらに改善し、「採算水準」は0から0と横ばいで推移している。「問合せ」も+5から+17にさらに改善し受注環境が好転している。「従業員」も+15から+28とさらに不足気味になっている。ただし「資金繰り」が▲5から▲6とやや悪化しているのは過去の低採算工事が影響しているのではないかと考えられる。

 

製造業

DI指数をみると「業況」は前期の+30から今期+33にさらに好転している。「売上」が+60から+44にさらに増加し、「採算水準」が+60から+56にさらに好転していることが要因である。「従業員」は+20から+11になり人員不足傾向が続いている。「資金繰り」は0から0と横ばいであるが、短期、長期の「借入難易度」はともに+20から+11と改善が続いており、借入しやすい状況にある。

 

卸売業

DI指数をみると「業況」は前期の▲10から今期▲13と悪化傾向が続いている。「売上」が▲20から▲25とさらに減少しており、「採算水準(経常利益)」はプラスであるものの、「採算」が▲30から▲13にさらに悪化しているためである。「問合せ」は▲30から▲38と低調に推移している。ただし「従業員」は▲10から+13と人員不足に転じた。これは全体の人員不足傾向が波及してきたのではないか。「資金繰り」は悪化していない。

 

小売業

DI指数をみると「業況」は前期の▲7から今期▲17と悪化傾向が続いている。「売上」は▲10から0に下げ止まったが「採算」の悪化傾向が止まっていない。「問合せ」は低調に推移している。「従業員」は▲3から+14に転じ再び人員不足感が出ている。

 

サービス業

DI指数をみると「業況」は前期の+14から今期+7に好転が続いている。「売上」が+14から+10にさらに増加し、「採算水準」が+21から+17に高止まっていることが要因である。「問合せ」は+7から0に減少したが、「従業員」は+21から+10に人員不足感が継続している。「資金繰り」は+14から0と横ばいになった。

 

今の経済情勢に対する主な意見は次のとおり。

「周囲にマンションができるため自社の業況は好転すると考える」

「景気いいというお客様の購買意欲が出てきている」

「素材価格の高騰を価格転嫁できず、利益を圧迫」

「消費傾向はまだまだ低調」

「土建工事業、建築設計事業の廃業が増加している」

「卸売業の業況はどこまで低下するのか」

「介護保険法の改定で売上減少。今後の好転の要因なし」

「個人の生活感とは別に、小規模事業者の経済活動は苦しい」

「格差是正対策の早期実現を望む」

景況感を反映して明るい話も出ているが、地方経済、特に小規模事業者の実態はまだまだ厳しいので、経済対策を望むという声も依然として多い。

 

来期の見通しについて、全体では「業況」は好調が持続する見方が多い。「売上」はさらに増加し、「採算水準」はさらに向上し、「従業員」の不足傾向はさらに加速するとみている。業種別では、製造業、サービス業が好調を持続するが、建設業、卸売業、小売業は慎重な見方をしている。ただし従業員の不足感は全体に広がっている。

来期の設備投資については、設備投資計画があると回答した企業の割合が18%で、製造業では33%が、サービス業では23%が計画している。設備投資の中味は設備更新投資が61%と多く、合理化・省力化投資が17%、生産力増強投資が17%である。今後の景気に係わらず計画通り投資を行うとする企業が72%を占め、投資意欲は堅調である。

(中小企業診断士 田中清行)

       

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