大津企業景況調査
 
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(概 況)

景気回復感に弱さ

 

平成19年1〜3月期の大津企業景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数(景気動向指数)を採用している。DI指数は実数値などの上昇率を示すものでなく、強気、弱気などの経営者マインドの相対的な広がりを意味する。

 

 全体

全体的に景気回復感に弱さが出ている。全体のDI指数をみると「業況」は前期の0.0(不変)から今期▲4.1(悪化)と弱い動きとなった。「売上」指数は+8.5(増加)から▲9.3(減少)に低下したが、「採算(経常利益)の水準」はプラス(黒字)で堅調に推移している。「従業員」はプラス(不足)が続いている。「資金繰り」は+1.1(好転)から▲3.1(悪化)となったが、金融は緩和しており借り易い状況が続いている。

このように景気回復感に弱さが出ている中、業種間で業況感がまだら模様になっている。製造業の景気回復は依然続いているが、今まで堅調に推移していたサービス業の回復が一服する形になっている。一方、今まで厳しかった卸売業の業況感が下げ止まった感がある。建設業、小売業は依然厳しい状況が続いている。

 

 建設業

DI指数をみると「業況」は前期の+5.6から今期▲5.3に悪化している。「売上」が+16.7から▲10.5に悪化し、「採算」も+5.6から▲21.1に悪化したことが原因のようだ。「取引の問合せ」も+16.7から0.0に悪化した。「資金繰り」も▲5.6から▲10.5とさらに厳しくなっている。ただし「従業員」は不足感が続いている。

 

製造業

DI指数をみると「業況」は前期の+33.3から今期+10.0と好転が続いている。「売上」が+44.4から+10.0と増加が続き、「採算」も+33.3から+10.0と好転が続いていることが要因である。「従業員」は+11.1から0.0になり不足感がなくなった。社員の採用やパート・アルバイト、派遣社員の増員により対応した結果とみられる。「資金繰り」、「資金調達」は安定した状況が続いているとみられる。

 

卸売業

DI指数をみると「業況」は前期までの悪化が止まり今期不変となって景況感は下げ止まった感がある。「売上」の減少は続いているが、「採算」は悪化傾向が縮小し、「採算水準」は+25.0から+30.0と黒字基調である。ただし「取引の問合せ」は低調である。「資金繰り」は横ばいで「資金調達」は安定している。

 

小売業

DI指数をみると「業況」は前期の▲17.2から今期▲13.3と依然悪化傾向が続いている。「売上」は0.0から▲26.7と再び減少し、「採算」が▲10.3から▲20.0と悪化傾向が止まっていない。「取引の問合せ」は▲17.2から▲26.7と低調に推移している。「従業員」は+13.8から+10.0と人員不足が続いている。「資金繰り」はやや悪化しているが、「資金調達」は安定している。

 

サービス業

DI指数をみると「業況」は前期の+6.7から今期0.0になって好転が止まった。「売上」は+10.0から+10.7と増加が続いており、黒字を維持しているが、「採算」の悪化が続いているためとみられる。「従業員」は+10.0から+21.4と人員不足感が継続している。「資金繰り」は不変で、資金調達は安定的である。

 

来期の見通しについて、全体では「業況」は今期に続きマイナス(悪化)を見込んでおり、回復に弱さがみられる。「売上」は増加し、黒字を維持しているが、「採算」はマイナス(悪化)が続くとみているからであろう。「取引の問合せ」もマイナス(低調)が続くとみているが、「従業員」の不足傾向は続くとみている。業種別では製造業が拡大を持続し、卸売業が下げ止まっている見通しだが、サービス業に陰りが見え、建設業、小売業は慎重な見方をしている。

 

来期の設備投資については、設備投資計画があると回答した企業の割合が18%で、特に製造業では50%が計画していることから製造業の先行き見通しが明るいことを示している。

設備投資の中味は合理化・省力化投資が47%と多く、設備更新投資が42%、生産力増強投資は11%である。今後の労働力不足を考慮して合理化・省力化投資を志向しているのではないか。

今後の景気に係わらず計画通り投資を行うとする企業が前期の72%から今期は47%に減り、景気の将来展望に慎重さがみられるようになった。

 (中小企業診断士 田中清行)

 

 

       

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