大津企業景況調査
 
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(概 況)

回復基調がみられる景気動向

 

平成18年4〜6月期の大津企業景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数として景気動向指数として、DI指数を採用している。DI指数とはDiffusion  Indexの略で、DI指数は、各調査項目について、「増加」や「好転」した割合から、「減少」や「悪化」した割合を差し引いた数値である。

 

全体

 景気は全般では本格的な回復に向けて前進しているが、気温が思うように上昇せず、衣料や家電など季節商品の販売不振の影響を受けている企業が一部でている。DI指数は1〜3月期と同様、従業員数は不足傾向を、長期・短期借入金は借り入れしやすいことを示している。しかし他はすべての指数がマイナスである。前期と比べると「採算の水準」、「取引の問合せ」以外はマイナス幅の縮小により改善する項目が増えている。来期は改善する項目がさらに増えるが、金利上昇に伴う借入金への不安要素がでてきている。

 

建設業 

 DI指数は「短期借入金難易度」がプラスとなったが、「長期借入金借入難易度」、「資金繰り」、「従業員」はゼロ(「好転」と答えた企業割合と「悪化」と答えた企業割合が同数)である。前期と比べると、「売上高」、「問合わせ」のように悪化した項目があるが、「業況」のようにマイナス幅の縮小等のように改善した項目が多い。

 

製造業

 DI指数は採算(経常利益)と業況、取引の問合せが前回マイナスであったが、今期すべてのDI指数がプラスに転じ、他の業種よりも内容が良い。特に「採算(経常利益)」、「採算の水準」、「取引の問合せ」等の項目が改善されている。

 

卸売業

 DI指数は「採算の水準」、「長期借入金借入難易度」、「短期借入金借入難易度」がプラスであるが、他の項目はマイナスである。前期と比べると、「取引の問合せ」と「資金繰り」が悪化しているが、「売上高」、「採算」はマイナス幅の縮小等で改善されている。

 

小売業

 DI指数は前期同様「従業員数」、「長期借入金借入難易度」、「短期借入金借入難易度」がプラスで、他はすべてマイナスかゼロ(「好転」と答えた企業割合と「悪化」と答えた企業割合が同数)と厳しい。「資金繰り」がマイナスからゼロに改善したが、他の項目はすべて依然マイナス基調が続いている。

 

サービス業

 DI指数は「採算」、「問合せ」、「資金繰り」がわずかなマイナスで、他はゼロ(「好転」と答えた企業割合と「悪化」と答えた企業割合が同数)またはプラスで内容の良い業種といえる。前期と比べると、「問合せ」、「資金繰り」のようにゼロからマイナスへと悪化した項目があるが、多くの項目はマイナス幅の縮小やゼロからプラスへと改善された。

 

以上のように、DI指数の良いのは製造業であり、小売業や建設業は悪い。建設業と卸売業業は前回よりも好転し、サービス業では若干悪化している。

 今期の経済情勢についての意見は次の通り。「ますます得意先の廃業等による売上げ減少」、「事業所税導入による資金繰りの影響」、「マスコミで言われるような状況にない。依然として金融機関は厳しいように感じている」等、企業経営に影響する意見や「新聞・TV等で伝えられている好況感は全く無い。売上高ダウンは続いている」、「夏物が不振。エアコン等の昨年この時期に売れていた商品が売れず」のように、売上高不振の原因に挙げているものもある。一方、今後の経営について「介護保険法の改定に伴う収入減に対応しきれるか。大変な状況下にある」や「今まで以上に戦術を考えて、行動しないといけない」というように今後も楽観視せず、さらなる経営努力が要求されるという意見が複数ある。

 

来期の見通しでの全体の指数では、「売上高」などプラスが多くなるが「資金繰り」、「長期借入金借入難易度」、「長期借入金借入難易度」のようにマイナス項目の予測も若干ある。業種別に見ると、製造業やサービス業ではプラス項目が多く、建設業においてもマイナス幅縮小項目が多く予測されている

 来期の設備投資については、計画通りが68.3%で、13社の回答である。その内容は、設備更新が38.5%と特に多く、次いで生産力増加が26.9%、合理化・省力化がそれらに続く。     (中小企業診断士 鐘井 輝)

 

       

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