大津企業景況調査
 
● (概 況)

業種間に差はあるが
景気は着実な回復を続けている

 政府の関係閣僚会議に提出された4月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、企業部門の改善に広がりがみられ、着実な回復を続けている。」と表現している。理由としては、「輸出も生産も増加している。企業収益は改善の動きが広がっていて、設備投資は増加している。個人消費は持ち直している。雇用情勢は依然として厳しいものの、持ち直しの動きが見られる。」などを挙げている。先行きについては、「世界経済が回復し、国内企業部門が改善していることから、日本の景気回復が続くと見込まれる。一方、為替レートなどの動向には留意する必要がある。」と前回とほぼ同様に明るい内容である。

 このような状況下にあって、平成15年度の第4期である1〜3月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」や「好転」した割合から、「減少」や「悪化」した割合を差し引いた数値である。今期で、▲10よりも悪いDI指数があるのは、全体では採算と取引の問合せだけである。また、多くの項目は前期よりもマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロへ好転したり、採算の水準や長期借入に至ってはマイナスからプラスへと好転した。

 業種別の前期からの動向について、建設業は、取引の問合せ、従業員数、短期借入金などでマイナス幅が拡大し悪化、特に取引の問合せは▲36.8と悪い。しかし、他の項目はマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロやプラスになったりするなど好転した。製造業は、採算の水準だけがプラス幅が縮小し悪化したが、他の項目はゼロからプラスになったり、プラス幅が拡大したりするなど好転し、採算、業況、従業員数、短期借入については同値のプラス幅を維持した。特に、取引の問合せは+44.4と優れている。卸売業は、業況だけがマイナス幅が拡大し悪化したが、他の項目はマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロになったり、プラス幅が拡大したりするなど好転した。小売業は、悪化した項目はなく、すべての項目についてマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロやプラスになったり、プラス幅が拡大するなど好転した。サービス業は、採算の水準と長期借入についてはマイナス幅が拡大し前期よりも悪化したが、他の項目はマイナス幅が縮小したりマイナスからプラスになったりして好転した。

 前年度(1〜3月期)と比べると悪化した項目はなく、すべての項目がマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロやプラスなどへと好転した。当時の景気認識は、「景気は、おおむね横ばいとなっているが、引き続き不透明感がみられる。」であった。理由として、「企業収益は改善しており、設備投資は持ち直している。雇用情勢は、求人が増加傾向にあるものの、失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい。個人消費はおおむね横ばいで推移している。輸出は穏やかに増加している一方、生産は弱含んでいる。」などであった。

 調査対象企業が挙げている経営上の問題点は、受注の減少、受注競争の激化、採算状況の悪化などが多い。理由として、公共投資の削減、大手企業の進出、工事量の減少、低価格競争、受注単価の低下、消費低迷、仕入価格の上昇、公共料金の高騰などが挙げられている。具体的には、「輸出品の円高差損の拡大、材料の値上がりによるコスト圧縮、年金の減額などによる買い控え、BSEや鳥インフルエンザなど食に対する風評が心配」などの内容である。


  主要DI指数の前年比較

  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
15年
1〜3月
▲36.1 ▲37.1 ▲13.4 ▲26.8 ▲17.5 ▲4.1 1.0
16年
1〜3月
▲2.2 ▲15.1 4.3 ▲9.7 0.0 2.2 6.5

 前期や前年と比べると景気の状況を示す多くの項目が好転してきた。

 来期の見通しについては、全体では売上、採算の水準、従業員数、資金繰りがマイナス幅の拡大などで悪化するが、他の項目はマイナス幅の縮小などで好転し、特に悪いDI指数は無い。しかし業種別に見ると、建設業の売上や業況、サービス業の取引の問い合わせなどに、▲20よりも悪いDI指数がある。

 来期の設備投資については、計画ありが23%で、前期と同じ21社の回答である。その内容は、設備更新が特に多く、合理化・省力化や生産力増加も多い。



       

▲TOPへ戻る▲

もくじへ戻る