大津企業景況調査
 
● (概 況)

前期や前年に比べ、
景気は着実に回復しつつある

 政府の関係閣僚会議に提出された1月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実に回復している。」と表現している。理由として、「輸出、生産ともに増加している。企業収益は改善が続いており、設備投資は増加している。個人消費は持ち直しの動きが見られ、雇用情勢は依然として厳しいものの、持ち直しの動きが見られる。」などを挙げている。先行きについては、「世界経済が回復する中で、日本の景気回復が続くと見込まれる。一方、為替レートなどの動向には留意する必要がある。」と前回同様に明るい表現となっている。

 このような状況下にあって、平成15年度の第3期である10〜12月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値である。今期で、▲20よりも悪いDI指数があるのは、全体では売上、採算、業況、取引の問合せである。また、従業員数は前期変わらず、他の項目は前期よりもマイナス幅が縮小し、短期借入に至ってはゼロからプラスに好転した。

 業種別の動向は、建設業が採算の水準はゼロからマイナスへ、従業員数はプラスからゼロへ悪化したが、短期借入金についてはゼロまたはプラスへ、他の項目はすべてマイナス幅が縮小し好転した。製造業は、長期借入だけがプラスからゼロへと悪化したが、他の項目はすべて、マイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロやプラスになったり、プラス幅が拡大したりするなど好転し、従業員数だけがマイナスというように他の項目はすべてゼロまたはプラスになった。卸売業は採算、取引の問合せ、従業員数がマイナスからゼロになったり、プラス幅が拡大したりするなどと好転した。小売業は長期借入だけがプラス幅が拡大して良くなったが、他の項目はマイナス幅が拡大して悪化した。サービス業では採算、資金繰り、長期借入金については前期よりも悪化したが、他の項目はマイナス幅が縮小したりゼロになって好転したが、採算のように▲が41と特に悪い項目もある。


 前年度(10〜12月期)と比べると、従業員数だけがマイナス幅が少し拡大(人員過剰)して悪化したが、他の項目はマイナス幅が縮小したり、マイナスからプラスへと好転した。当時の景気認識は、「景気は引き続き一部に持ち直しの動きが見られるものの、このところ弱含んでいる。」であった。理由として、「企業収益は改善しており、設備投資は下げ止まりつつある。雇用情勢は、求人が増加傾向にあるものの、失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい。個人消費は横ばいで推移している。輸出は横ばいとなっている一方、生産は弱含んでいる。」であった。

調査対象企業が挙げている経営上の問題点は、受注や売上高の減少、受注競争の激化、採算状況の悪化などが多い。理由として、公共工事量の減少、低価格競争、受注単価の低下、消費低迷、仕入価格の上昇、固定経費負担の圧迫、急激な円高による損失、高度技術者の人材不足、水産原材料の不足などが多い。今後の対策として、「消費者のニーズやウォンツの多様化への対応」を挙げている企業がある。


  主要DI指数の前年比較

  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
15年
10〜12月
▲20.0 ▲26.3 ▲2.1 ▲21.1 ▲9.5 ▲2.1 2.1
14年
10〜12月
▲29.6 ▲27.6 ▲10.1 ▲33.7 ▲22.4 ▲5.1 ▲5.1

 前期や前年と比べると景気の状況を示す多くの項目が好転してきたようである。
 来期の見通しについては、全体では採算の水準が横ばい、従業員数、長期・短期借入がマイナス幅の拡大などと悪化するが、他の項目はマイナス幅が縮小して好転し、▲30よりも悪いDI指数は無い。しかし業種別に見ると、▲30よりも悪いDI指数があるのは、卸売業の採算(経常利益)と従業員数であり、サービス業の採算(経常利益)である。

 来期の設備投資については、計画ありが22%で、前期と同じ21社の回答である。その内容は、設備更新が特に多く、合理化・省力化や生産力増加も多い。



       

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