大津企業景況調査
 
● (概 況)

前期と前年に比べ、
景気の状況を示す多くの項目が
少し好転している

 政府の関係閣僚会議に提出された9月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、持ち直しに向けた動きが見られる。」と表現している。理由として、「企業収益は改善が続いており、設備投資は増加している。個人消費はおおむね横ばいで推移し、雇用情勢は依然として厳しいものの、持ち直しの動きが見られる。輸出は持ち直しており、生産は横ばいとなっている。」などを挙げている。先行きについては、「企業部門が持ち直している中で、アメリカ経済などの回復に伴って、景気は持ち直すことが見込まれる。一方、今後の株価・長期金利や海外経済などの動向には留意する必要がある。」と久しぶりに明るい表現となっている。

 このような状況下にあって、平成15年度の第2期である7〜9月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値である。今期で、▲30よりも悪いDI指数があるのは、全体では売上と取引の問合せである。また、売上と採算だけは前期よりもマイナス幅が少し拡大したが、他の項目は前期よりもマイナス幅が縮小し、短期借入だけはマイナスからゼロに好転した。

 業種別の動向は、建設業が売上だけは横ばいであったが、採算の水準、従業員数、短期借入金については前期よりもマイナスからゼロまたはプラスへ、他の項目はすべてマイナス幅が減少し好転した。製造業は、採算の水準、従業員数、資金繰りがプラス幅が減少するなど悪化したが、売上、業況、短期借入は横ばいであり、採算、取引の問合せはゼロからプラスになるなど好転した。卸売業は売上、採算の水準、取引の問合せ、長期と短期借入がマイナス幅の増加などと悪化したが、業況が横ばいであり、採算、従業員数、資金繰りがマイナス幅の減少と好転した。小売業は採算だけがマイナス幅が増加して悪化したが、他の項目はマイナス幅が減少して好転した。サービス業では採算、採算の水準、業況、取引の問合せ、短期借入金については前期よりも悪化したが、従業員数のように横ばいの項目もあり、一方で売上、資金繰り、長期借入のようにマイナス幅が減少して好転した項目もある。
 前年度(7〜9月期)と比べると、すべての項目がマイナス幅が縮小したり、マイナスからゼロへと好転した。当時の景気認識は、「景気は引き続き一部に穏やかな持ち直しの動きが見られるものの、環境は厳しさを増している」であった。理由として、「雇用情勢は、一部に改善への動きが見られるものの、失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい。個人消費は横ばいで推移するなかで、一部に底固さも見られる。企業収益は改善の兆しが見られる。輸出は増加テンポが穏やかになっており、生産は穏やかな持ち直しが続いている。」であった。

 調査対象企業が挙げている経営上の問題点は、受注や売上高の減少、受注競争の激化、採算状況の悪化、資金繰り困難などが多い。理由として、新規受注の減少、公共工事量の減少、新製品の受注困難、低価格競争、受注単価の低下、消費低迷、原燃料価格や仕入価格の上昇、公共料金や税負担が過大、先行投資に伴う運転資金のやり繰りなどが多い。しかし、「多少高額品も売れるようになってきた」というような明るい兆しの情報もある。そして、「更なる成長を図るための競争力のある商品開発及び販路開拓を検討中」や「大手の動向が業界の活性化に不可欠であると同時に我々も組織の中で闘志を燃やし活動するように心がけている」のように前向きの努力をされている企業もある。


  主要DI指数の前年比較

  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
15年
7〜9月
▲31.3 ▲29.2 ▲8.3 ▲24.0 ▲11.5 ▲3.1 0.0
14年
7〜9月
▲42.3 ▲41.2 ▲19.6 ▲33.0 ▲18.6 ▲14.4 ▲8.2

 前期と前年と比べると景気の状況を示す多くの項目が少し好転してきたようである。
 来期の見通しについては、全体では資金繰りが横ばい以外はすべてマイナス幅が縮小し好転し、▲30よりも悪いDI指数は無い。しかし業種別に見ると、▲30よりも悪いDI指数があるのは、建設業の採算(経常利益)であり、小売業の取引の問合わせである。
 来期の設備投資については、計画ありが22%であり、前期より2社減って21社となった。その内容は、設備更新と生産力増加が特に多く、合理化・省力化も多い。


       

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