大津企業景況調査
 
● (概 況)

前期や前年に比べ、
景気は横ばいが続いている

 先般、政府の関係閣僚会議に提出された7月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、おおむね横ばいとなっているが、このところ一部に弱い動きが見られる。」と表現している。理由として、「企業収益は穏やかな改善が続いており、設備投資は緩やかな持ち直しが続いている。個人消費はおおむね横ばいで推移し、雇用情勢は依然として厳しいが、株価は大幅に回復している。輸出は横ばいとなっている中で、生産は弱含んでいる。」などを挙げている。先行きについては、「アメリカ経済などの回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、海外経済の先行きを巡る不透明感や、今後の株価・長期金利の動向に留意する必要がある。」としている。

 このような状況下にあって、平成15年度の第1期である4〜6月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値である。今期で、▲30よりも悪いDI指数があるのは、全体では売上と取引の問合せである。各項目は前期と比べマイナス幅が縮小したり、拡大したりといろいろである。マイナス幅が減少した項目は、売上高、採算(経常利益)、採算の水準、取引の問合せ、資金繰りである。逆に、業況、従業員数、長期借入はマイナス幅が拡大した。短期借入だけはプラスからマイナスへ悪化した。

 業種別の動向は、建設業がすべての項目で前期よりも悪化し、特に採算と採算の水準、業況についてマイナス幅が大きくなるなどと悪化した。製造業は、売上、採算、採算の水準、取引の問合せについては前期よりも悪化したが、従業員数のようにマイナスからゼロになった項目や短期借入のようにゼロからプラスに好転した項目もある。卸売業は、資金繰りについては少し悪化したが、売上、採算の水準、取引の問合せが大きく好転し、他のほとんどの項目も好転した。小売業は、従業員数のマイナス幅が拡大し、長期と短期の借入がプラスからゼロになったが、他の項目はすべてマイナス幅が縮小して好転した。サービス業では、採算、採算の水準、取引の問合せ、短期借入が少し好転したが、他はすべて悪化した。


 前年度(4〜6月期)と比べると、次の通りである。当時の景気認識は、「景気は依然厳しい状況にあるが、底入れしている。」と表現している。内容は、「設備投資は減少し、失業率が高水準で推移するなど、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費は横ばいで推移している。輸出はアジア向けを中心に増加しており、生産は一部に持ち直しの動きも見られる」であった。多くの項目でマイナス幅が縮小したが、売上高、従業員数、長期借入についてはマイナス幅が少し拡大した。

 調査対象企業が挙げている経営上の問題点は、売上高の減少、受注競争の激化、採算状況の悪化、資金繰り困難が多い。理由として、新規受注の減少、工事量の減少、低価格競争、受注単価の低下、得意先の規模縮小や廃業、大手企業への受注集約、消費低迷、客数減少と客単価下落、経費の増加、人件費の比重増加、人材の確保困難などが多い。しかし、「4月より飲食部を新設、その分売上好転している。さらに、調査をして一層経常利益をあげるべく努力している。(小売業)」という成功事例が述べられている。


  主要DI指数の前年比較

  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
15年
4〜6月
▲30.9 ▲26.61 ▲9.6 ▲27.7 ▲16.0 ▲6.4 ▲1.1
15年
7〜9月
▲29.6 ▲34.7 ▲20.4 ▲30.6 ▲18.4 ▲3.1 ▲5.1

 前期と前年と比べると景気は横ばいが続いているようである。
 来期の見通しについては、売上高のマイナス幅が約15ポイント小さくなる以外はすべて小幅な増減であり、▲30よりも悪いDI指数は、取引の問合わせだけである。しかし、業種によっては厳しさに差がある。▲30よりも悪いDI指数があるのは、建設業では、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせである。製造業では売上高、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせと多い。小売業では業況と取引の問合わせである。なお、卸売業では従業員数、サービス業では取引の問合わせだけである。来期の設備投資については、計画ありが前期より1社増えて23社となった。その内容は、設備更新が特に多く、合理化・省力化や生産力増加も多い。

       

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