大津企業景況調査
 
● (概 況)


7〜9月期よりはマイナス幅が縮小し、景気は一部に下げ止まりの兆し


 政府の関係閣僚会議に提出された1月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、引き続き一部に持ち直しの動きが見られるものの、このところ弱含んでいる。」と表現している。理由として、「企業収益は改善しており、設備投資は下げ止まりつつある。雇用情勢は、求人が増加傾向にあるものの、失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい。個人消費は横ばいで推移している。輸出は横ばいとなっている一方、生産は弱含んでいる。」などを挙げている。先行きについては、「アメリカ経済などの回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、世界経済の先行き懸念や我が国の株価の低迷などにより、我が国の最終需要が引き続き下押しされる懸念が存在している。」としている。
 この度、平成14年度の第3期である10〜12月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値である。今期で、▲30よりも悪いDI指数があるのは、全体では業況と取引の問合わせだけである。ほとんどの項目が前期と比べマイナス幅が縮小した。マイナス幅が特に大きく減少した項目は、売上高と採算(経常利益)である。逆に、業況、取引の問い合わせ、資金繰りはマイナス幅がわずかに拡大した。
 業種別の動向は、建設業が従業員数、長期借入、短期借入について前期のマイナスからプラスに好転し、採算(経常利益)については前期よりマイナス幅が大きく縮小した。製造業は、採算(経常利益)が大きなプラスで、取引の問い合わせが大きなマイナスで、前期よりもマイナス幅が大きく拡大した。卸売業は、採算の水準以外はすべてマイナスであり、特に売上高と取引の問い合わせが大きなマイナスであり、前期よりも悪化している項目が多い。小売業では、採算(経常利益)、業況、取引の問い合わせについては大きなマイナスであるが、前期より大きな変動はない。サービス業では、業況と取引の問い合わせについては大きなマイナスであるが、前期よりマイナス幅が縮小している項目が多い。
 前年同期(10〜12月期)と比べると、次の通りである。当時の景気認識は、「景気は悪化を続けている。理由として、個人消費は、弱い動きが続いている。失業率はこれまでにない高さに上昇するなど、雇用情勢は厳しさを増している。生産、企業収益は大幅に減少しており、設備投資も減少している。」であった。ほとんどの項目で、マイナス幅が縮小しているが、短期資金借入難易度だけがマイナス幅が少し拡大している。
 調査対象企業が挙げている経営上の問題点は、売上高の減少、在庫の増加、採算の悪化と資金繰り困難が多い。理由として、契約単価の引下げ、低価格化と低価格競争、競争激化、得意先の経営状態悪化、大手企業の進出、販売価格の低下、新製品や高級商品の売れ行き不振、消費購買力の低下、消費者の買い控え、人材不足、銀行の貸し渋りによる設備投資の減少などを挙げている。今後の対策として、地域で特色のあるものを自社で作るなどの方向性が必要ということが挙げられている。

  主要DI指数の前年比較
  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
14年
10〜12
▲29.6 ▲27.6 ▲10.2 ▲33.7 ▲22.4 ▲5.1 ▲5.1
13年
10〜12
▲60.0 ▲60.0 ▲30.0 ▲52.0 ▲25.0 ▲9.0 ▲2.0

 このように、前期と前年と比べると景気は厳しさが少し緩んだようである。
 来期の見通しについては、売上高と資金繰り以外はすべてマイナス幅が少し拡大し悪化するようで、▲30よりも悪いDI指数は採算(経常利益)、業況、取引の問合わせである。しかし、業種によっては厳しさに差がある。▲30よりも悪いDI指数があるのは、建設業では、売上高、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせである。製造業では取引の問合わせ、卸売業では売上高、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせ、従業員数と多い。小売業では売上高、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせ、資金繰りと多い。サービス業では、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせである。
 来期の設備投資については、計画ありが前期より2社増えて16社となった。その内容は、設備更新が特に多く、生産力増加や合理化・省力化も多い。
       

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