大津企業景況調査
 
● (概 況)


景気は、依然厳しい状況にあるが、
底入れしている


 先般、政府の関係閣僚会議に提出された6月の月例会議においての景気認識は、「景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れしている」と景気悪化が緩むように表現している。理由としては、「設備投資は減少し、失業率が高水準で推移するなど、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費は横ばいで推移している。輸出はアジア向けを中心に増加しており、生産は一部に持ち直しの動きも見られる」などを挙げている。先行きについては、「輸出の増加や在庫調整が概ね終了していることの影響が、今後経済全体に波及していくなかで、景気は持ち直しに向かうことが期待される一方、依然厳しい雇用・所得環境などが、今後の最終需要を下押しする懸念がある」としている
 この度、平成14年4〜6月期の景況調査の結果がまとまった。調査結果を示す指数としてDI指数を採用している。DI指数とは、各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値である。今期のDI指数は、すべての項目で前期と比べマイナス幅が縮小し、景気悪化が緩んだことが伺える。マイナス幅が特に大きく縮小した項目は、売上高の24.5ポイント、採算(経常利益)の22.4ポイント、業況の24.5ポイントである。
 業種別の動向は、建設業が業況と取引の問合せについて前期よりマイナス幅が大きく縮小し、採算の水準と資金繰りについては前期よりマイナス幅が拡大した。製造業はすべての項目で前期よりマイナス幅が縮小し、特に採算(経常利益)、業況、取引の問合わせは大きくマイナス幅が縮小した。卸売業では、売上高、採算(経常利益)、業況、資金繰りのマイナス幅が特に小さくなり、逆に取引の問合せと従業員はマイナス幅が大きくなっている。短期資金借入難易度はマイナスからゼロへ、長期資金借入難易度はマイナスからプラスへと共に好転し、採算の水準はプラスから大きなプラスへ好転した。小売業では、ほとんどの項目についてマイナス幅が小さくなって好転した。特に、売上高、採算(経常利益)、採算の水準、業況については、30ポイント前後もマイナス幅が小さくなって好転した。サービス業では、ほとんどの項目についてマイナス幅が小さくなって好転した。特に、売上高、採算(経常利益)、業況、資金繰りについては、20ポイント以上もマイナス幅が小さくなり、短期資金と長期資金の借入難易度はマイナスからゼロへと共に好転した。
 前年度(4〜6月期)と比べると、次の通りである。当時の景気認識は、「景気は悪化しつつある。理由として、個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。失業率は高水準で推移している。輸出、生産が引続き減少している。企業の収益の伸びは鈍化し、設備投資は頭打ちとなっている。」であった。ほとんどの項目で、マイナス幅が7ポイント以下と少いとはいえ拡大している。逆に、採算(経常利益)と長期資金借入難易度については、マイナス幅が少し縮小している。
 調査対象企業が提起している経営上の問題点については、売上高の減少、採算の悪化と資金の借入困難を挙げている企業が多い。理由として、競争激化、得意先の廃業、大手企業の進出、安売り業者の定着による販売価格の低下、個人消費の低調、狂牛病などを挙げている。実施した対策は、新商品開発、国内・海外における販路拡大、遊休資産の活用、経費節減などである。しかし、先行き見通しが厳しいため投資できないとか、リストラしたいが困難という意見もある。

  主要DI指数の前年比較
  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
14年
4〜6月
▲ 29.6 ▲ 34.7 ▲ 20.4 ▲ 30.6 ▲ 18.4 ▲ 3.1 ▲ 5.1
13年
4〜6月
▲ 26.3 ▲ 38.4 ▲ 19.2 ▲ 28.3 ▲ 12.1 ▲ 6.1 ▲ 3.0

 このように、前期と比べると景気悪化が緩み、前年と比べると景気はわずかに悪化しているようである。
 来期の見通しについては、従業員、短期資金と長期資金の借入難易度のマイナス幅が1〜2ポイントと少し拡大しているが、他の項目はすべてマイナス幅が縮小し好転の見通しとなっている。▲30よりも悪いDI指数があるのは、全体では取引の問合わせだけであるが、業種によっては厳しさに差がある。建設業でDI指数が特に悪いのは、売上、採算(経常利益)、業況、取引の問合わせ、資金繰りと多い。製造業では特に悪いDI指数は無く、卸売業では採算(経常利益)、取引の問合わせ、従業員である。小売業では採算(経常利益)が、サービス業では取引の問合わせが特に悪い。
 来期の設備投資については、計画ありが23社で前期と同数だった。その内容は、合理化・省力化、設備更新、生産力強化の順に多い。

       

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