大津企業景況調査
 
● (概 況)


景気は以前厳しい状況にあるが、
一部に下げ止まりの兆し



 政府の関係閣僚会議に提出された3月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、依然厳しい状況にあるが、一部に下げ止まりの兆しがみられる」とやや景気悪化がゆるむように表現している。内容としては、「個人消費は横ばいとなっている。設備投資は大幅に減少し、失業率が高水準で推移するなど、雇用情勢は厳しさを増している。輸出は下げ止まりつつあり、生産にも下げ止まりの兆しが見られる」を挙げている。先行きについては、「厳しい雇用・所得環境や企業収益の動向などが、今後の民間需要を下押しする懸念がある一方で、対外経済環境の改善や在庫調整の進展が、今後の景気を下支えすることが期待される」としている。
 この度、平成14年1〜3月期の景況調査の結果がまとまった。1〜3月期のDI指数は、平成13年10〜12月期と比べ、マイナス幅が縮小した項目もあれば、拡大した項目も見られ、未だ景気悪化が続いていることが窺える。マイナス幅が縮小した項目は、売上高の5.9ポイント、採算(経常利益)の2.9ポイント、従業員の0.6ポイントである。一方、マイナス幅が拡大した項目は、採算の水準の3.1ポイント、業況の3.1ポイント、取引の問い合わせの0.1ポイントである。また、金融関係の3項目については、資金繰りが5.6ポイント、長期資金借入難易度が8.3ポイント、短期資金借入難易度が12.3ポイントとマイナス幅がすべて拡大している。
 業種別の動向は、建設業が取引の問い合わせ、従業員、長期資金借入難易度について平成13年10〜12月期よりマイナス幅が拡大した。しかも、取引の問い合わせのDI指数は▲70.0と特に厳しい。売上高、採算(経常利益)、採算の水準、業況、資金繰りについて、平成13年10〜12月期よりマイナス幅が縮小した。製造業は採算の水準と長期資金借入難易度のマイナス幅が大きくなった以外は、他のほとんどの項目マイナス幅が小さくなったか横ばいである。卸売業では、売上高、業況、資金繰り、長期資金借入難易度がマイナス幅が大きくなり、中でも売上高のDI指数は▲80.0と特に厳しい。短期資金借入難易度はプラスからマイナスへ赤字化して悪化した。採算(経常利益)、取引の問い合わせ、従業員はマイナス幅は小さくなっている。小売業では、すべての項目について、マイナス幅が10ポイント以上も大きくなって悪化している。特に、採算(経常利益)では、マイナス幅が30ポイントも大きくなっていたり、短期事業資金借入難易度では、プラスからマイナスへ赤字化し27ポイントも悪化した。サービス業では、採算の水準と資金繰りがマイナス幅が大きくなっているが、他の項目はマイナス幅が小さくなって好転した。特に、採算(経常利益)はマイナス幅が24ポイントも大きく減った。
  平成13年1〜3月期と比べると、次の通りである。当時の景気認識は、「失業率はこれまでの最高水準で推移し個人消費は横ばいの状態が続いている。企業収益や設備投資は増加しており、自律的回復に向けた動きは続いている」であった。
 すべての項目で、マイナス幅は拡大し悪化している。特に、売上高、採算(経常利益)、業況については、マイナス幅が20ポイント前後も悪化して、マイナス50ポイント代と厳しい数値になった。
 調査対象企業が提起している経営上の問題点については、売上高の減少と採算の悪化を挙げている企業が多い。特に、最近は雪印問題、狂牛病、生産地詐称など消費者の不安が先行し消費を押し下げている。そして、大手企業の進出による競争激化、低価格競争、客数の減少、客単価の低下、大型店の営業時間の拡大、高級品の売行き不振、受注単価の低下なども要因に挙げている。
  主要DI指数の前年比較
  売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
平成14年
 1〜3月
▲54.1 ▲57.1 ▲33.7 ▲55.1 ▲30.6 ▲17.3 ▲14.3
平成13年
 1〜3月
▲37.0 ▲39.0 ▲27.0 ▲32.0 ▲23.0 ▲14.0 ▲8.0

 このように、平成13年10〜12月期や1年前と比べても、非常に厳しい状況が続いている
 4〜6月期の見通しについては、従業員のマイナス幅が少し拡大して、悪い見通しになっているが、他の項目はすべてマイナス幅が縮小し好転の見通しとなっている。DI指数▲40以下は全体では売上高、採算(経常利益)と取引の問い合わせであるが、業種によっては厳しさに差がある。DI指数の▲40以下があるのは、建設業では、売上高、採算(経常利益)、業況、採算の水準、取引の問い合わせと多い。製造業では、売上高、採算(経常利益)、従業員、業況である。卸売業では、売上高と従業員であり、小売業では、業況、採算(経常利益)、採算の水準、取引の問い合わせであり、サービス業では、売上高と採算(経常利益)である。
 4〜6月期の設備投資については、計画ありが平成13年10〜12月期より6社増えて23社となった。その内容は設備更新、合理化・省力化、生産力強化の順に多い。
       

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