大津企業景況調査
 
● (概 況)


7〜9月期よりは各項目のマイナス幅が拡大し、
景気は引続き悪化



 先般、政府の関係閣僚会議に提出された12月の月例会議においての景気認識は、「景気は、悪化を続けている」と依然と表現は厳しい。その理由として、「個人消費は、弱い動きが続いている。失業率はこれまでにない高さに上昇するなど、雇用情勢は厳しさを増している。生産、企業収益は大幅に減少しており、設備投資も減少している。」ということを挙げている。先行きについては、「世界経済が同時的に減速するなど、懸念すべき点が見られる。」としている。
 この度、平成13年度の第3期である10〜12月期の景況調査の結果がまとまった。10〜12月期のDI指数は、日本経済の動きと同じく、7〜9月期に比べてマイナス幅の拡大が多く見られ、景気が悪化していることが窺える。売上高の20.6ポイントと採算(経常利益)の17.6ポイントは特に大きく、業況が14.6ポイント、取引の問合わせが6.5ポイント、従業員数が4.9ポイントとマイナス幅の拡大が見られる。採算の水準だけは2.3ポイントとマイナス幅が縮小している。また、金融関係の3項目については、資金繰りが4.8ポイントとマイナス幅が拡大しているが、逆に長期資金借入難易度は3.1ポイント、短期資金借入難易度は4.1ポイントとマイナス幅が縮小している。
 業種別の動向は、建設業が売上高、採算(経常利益)、業況について、7〜9月期よりマイナス幅が拡大した。しかも、売上高のDI指数は▲65.0、採算(経常利益)が▲60.0、業況が▲60.0と大きく厳しい。短期資金借入難易度だけはプラスのまま推移している。製造業は売上高や採算(経常利益)のマイナス幅が大きくなったほか、他のほとんどの項目も悪化していて、特に採算(経常利益)は▲70.0と大きく厳しい。卸売業では、売上高、採算(経常利益)、取引の問い合わせがマイナス幅が大きくなって悪化し、業況だけはマイナス幅が小さくなり、短期資金借入難易度だけはプラスである。小売業では、売上高、業況、資金繰りについて、マイナス幅が大きくなっているが、採算(経常利益)、採算の水準、取引の問い合わせ、従業員数については、マイナス幅が小さくなっている。長期も短期も資金借入難易度はマイナスからプラスへ転じた。サービス業では、採算の水準だけがマイナス幅が同じで、他はすべてマイナス幅が拡大して悪化している。特に、採算(経常利益)はマイナス幅が43.3ポイントも増えて、▲70.0と大きく悪化した。
  前年度の10〜12月期と比べると次の通りである。当時の景気認識は、「景気は、家計部門の改善が遅れるなど、厳しい状況はなお脱していないが、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが継続し、全体としては緩やかな改善が続いている。」であった。
 長期資金借入難易度と短期資金借入難易度だけは、マイナス幅が少し縮小し改善されているが、他の項目はすべてマイナスが拡大し悪化している。特に、売上高と採算(経常利益)については、マイナス幅が20ポイント以上も拡大して▲60.0と厳しい数値になっている。
 調査対象企業の提起している経営上の問題点については、売上高の減少を挙げている企業が多い。産業の空洞化、狂牛病、価格破壊、消費者心理の一層の冷え込み、客単価の低下、大型店の営業時間の拡大、他業種からの当産業への参入、大手の進出による競争激化、大型工事や工事量の減少、受注単価の低下などを売上高の減少の要因に挙げている。また、金融機関からの借入が厳しく決済も時間がかかり、資金繰りも依然として厳しい。このような厳しい環境に対して、不採算商品の整理廃止や成長商品分野への拡販という意見もある。一方で、人員過剰や後継者難のように企業内部においても厳しい状況にある。

 主要DI指数の前年比較
売上高 採 算
(経常
利益)
採算の
水準
業 況 資金繰り 長期資
金借入
難易度
短期資
金借入
難易度
平成13年
10〜12月
▲60.0 ▲60.0 ▲30.0 ▲52.0 ▲25.0 ▲9.0 ▲2.0
平成12年
10〜12月
▲36.1 ▲38.1 ▲14.4 ▲34.0 ▲14.4 ▲10.3 ▲3.1

 このように、7〜9月期や1年前と比べても非常に厳しい状況が続いている。
 平成14年1〜3月期の見通しについては、長期資金と短期資金の借入難易度のマイナス幅が少し拡大し悪い見通しとなっているが、他の項目はそれぞれマイナス幅は縮小し好転の見通しとなっている。DI指数の▲50以下は全体で採算(経常利益)、取引の問い合わせだけであるが、業種によって厳しさに差がある。建設業でDI指数が特に悪いのは、業況と取引の問い合わせである。製造業では採算(経常利益)、取引の問い合わせ、従業員数が特に悪い。卸売業では売上高、採算(経常利益)、取引の問い合わせ、従業員数が悪い。小売業では売上高と採算(経常利益)が、サービス業では採算(経常利益)、業況、取引の問い合わせが特に悪い。
 平成14年1〜3月期の設備投資については、景気悪化のためか、計画ありが2社減って17社となった。その内容は合理化・省力化、設備更新、生産力強化の順に多い。
       
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