大津企業景況調査
 
● (概 況)


前期よりは各項目のマイナス幅は縮小しているが、
景況感は未だ厳しい状況


 政府の関係閣僚会議に提出された6月の月例経済報告においての景気認識は、「景気は、さらに弱含んでいる」から「景気は悪化しつつある」と表現が非常に厳しくなった。その理由として、「個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。失業率は高水準で推移している。輸出、生産が引続き減少している。企業の収益の伸びは鈍化し、設備投資は頭打ちとなっている。」ということを挙げている。先行きについては、「在庫の増加や設備投資の弱含みの兆しなど懸念すべき点がみられる。」としている。是非、政府としては経済・財政の構造改革を出来るだけ早い時期に断行してほしい。
 この度、平成13年度の第1期である今期(4〜6月期)の景況調査の結果がまとまった。今月期のDI指数は、日本経済の動きとは違って、前期に比べて総体的にマイナス幅の縮小が多く見られ、やや改善の兆しが窺える。売上高が大きく10.7ポイント、採算(経常利益)が0.6ポイント、採算の水準が7.8ポイント、業況が3.7ポイント、取引の問合せが0.6ポイントとマイナス幅の縮小が見られる。特に金融関係の3項目については、資金繰りが10.9ポイント、長期資金借入難易度が7.9ポイント、短期資金借入難易度が5.0ポイントと、すべてマイナス幅が大きく縮小して改善されている。しかし、従業員数だけは、0.1ポイントと少ないがマイナス幅が拡大した。
 業種別の動向は、建設業が売上高、採算(経常利益)、採算の水準、業況、取引の問合せ、従業員数について前期(1〜3月期)よりマイナス幅が縮小し、金融関係の3項目はマイナスからプラスに転じ好転した。製造業は売上高や採算(経常利益)、取引の問合せがマイナス幅が拡大し、大きく落ち込んだほか、他のほとんどの項目も悪化していて、取引の問合せのDI指数は▲50.0と大きく厳しい。卸売業では、売上高、採算(経常利益)、採算の水準はマイナス幅が縮小し好転しているが、従業員と金融関係の3項目はマイナス幅が拡大するなど悪化している。小売業については、すべての項目でマイナス幅が縮小するなど好転しているとはいえ、採算(経常利益)のDI指数が▲40.0というように多くの項目でDI指数が大きなマイナスを示している。サービス業では、売上高、採算(経常利益)、業況、取引の問合せ、従業員数について、マイナス幅が拡大して悪化し、すべての項目がマイナスであり、取引の問合せのDI指数は▲56.7と大きく厳しい。しかし、採算の水準、資金繰りなど金融関係については、マイナス幅が縮小するなど好転している。
 景気回復基調にあった丁度1年前の前年度1・4半期(4〜6月期)と比べると、次の通りである。当時の景気認識は「景気は厳しい状況をなお脱していないが、緩やかな改善が続いている」であった。当時と比較すると、売上高が7.1ポイント、採算(経常利益)が10.1ポイント、採算の水準が1.0ポイント、業況が10.1ポイント、長期資金借入難易度が2.1ポイントとマイナス幅が拡大し悪化している。逆に、取引の問合せが
1.0ポイント、従業員数が9.1ポイント、資金繰りが5.1ポイント、短期事業資金が5.1ポイントとマイナス幅が縮小し改善されている。経営上の問題点については、取引先の倒産や廃業による売上高の激減、そのための資金繰りの悪化をはじめ、金融機関の貸し渋りによる長期資金借入の困難さの悪化による資金繰りの厳しさも述べられている。他に売上高低下の理由として、大型店やディスカウント店の増加、大型店の営業日や営業時間の拡大、新規参入事業者の安値受注、同業者の競争激化など挙げられている。このような厳しい経営環境に対して、リストラや減給の実施、代表者の個人資産を処分し運転資金にして資金繰り対策を実施した事例もある。
 このように、前期(1〜3月期)に比べるとやや改善の兆しが見えるが、1年前に比べると未だ厳しい状況が続いているようである。
 また、来期(7〜9月期)の見通しについては、売上高が1.0ポイント、採算(経常利益)が7.1ポイント、資金繰りが3.1ポイント、マイナス幅が少し拡大し悪いとの見通しとなっている。なお、長期借入金難易度と短期資金借入難易度は今期と同じである。業種別に見ると、建設業は従業員数、長期資金と短期資金借入難易度を除くほとんどの項目でマイナス幅が拡大し悪化している。製造業は売上高と従業員数のマイナス幅がやや拡大するが、採算(経常利益)と取引の問合せのマイナス幅はやや縮小し、他の項目は今期と同じである。卸売業では、長期資金と短期資金借入難易度のプラス幅が縮小するものの、他のほとんどの項目でプラス幅が拡大するなど好転の兆しが見える。小売業では、売上高、業況、取引の問合せ、従業員数、資金繰りなど金融関係のマイナス幅が少し拡大しているが、採算(経常利益)と採算の水準はマイナス幅が少し縮小している。サービス業では、従業員数と資金繰りは今期と変わっていないが、他のすべての項目のマイナス幅が縮小して好転する見通しである。
 来期の設備投資については、厳しい経済環境下のなか、計画ありが23社あった。その内容は設備更新、合理化・省力化、生産力強化の順に多い。
       
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