大津企業景況調査
 
● 全 体
(概 況)


前期に引続き各項目ともにマイナス幅が拡大し、景況感は後退


 先般、政府の関係閣僚会議に提出された3月の月例経済報告においての景気認識は、これまでの「景気の改善は、そのテンポがより緩やかになっている」から「景気の改善に足踏みがみられる」に表現が一歩後退した。そして、この間にも、低迷を続ける株価は一時的にしろ12,000円割れが生じたり、2年連続して物価下落や鉱工業生産指数の弱含みなど日本経済はデフレの進行を認めざるを得ない厳しい状況になっている時、平成12年度最終期である今期(1〜3月期)の景況調査の結果がまとまった。
 今期はこれら市場経済の激しい推移によってか、各調査項目ともにDI指数は総体的に悪いようである。僅かに、業況の2.0ポイントと取引の問合わせの1.3ポイントのマイナス幅の縮小が見られる以外は、売上高が0.9ポイント、採算(経常利益)も0.9ポイント、採算の水準がやや大きく12.6ポイント、従業員数が4.8ポイント、それぞれマイナス幅が拡大悪化している。特に金融関係の3項目については、資金繰りが8.6ポイント、長期資金借入難易度が3.7ポイント、短期資金借入難易度が4.9ポイント、マイナス幅が拡大して悪化していることが目につくところである。
 ちなみに、景気回復基調にあった今年度1・4半期(4〜6月期)と比べてみると、業況が13.8ポイント、採算(経常利益)が10.7ポイント、採算の水準が8.8ポイント、資金繰りが5.8ポイント、長期資金借入難易度が10.0ポイントと主要項目の殆どで、マイナス幅が拡大し悪化している。そして、これを裏付けするように現在直面している経営上の問題点についても、需要低下に伴う売上減は毎回の事ながら、今期ではコストダウンの要請、採算割れ、採算ラインの低下などの問題が多く見られるほか、資金繰りなど金融に関しての問題も提起されている。
 このような景気足踏み状況下のDI指数の傾向は、丁度1年前の平成12年1月〜3月期の調査結果に似ている。当時のタイトルは、「下げ止まり感のある景気動向」となっていたが、参考までに主要項目を比較してみると下の表Tの通りである。
 このように、11年4月〜6月期から緩やかな回復基調にあった景況感は、ここにきて1年前に逆戻りした感じである。
 また、来期の見通しについては、業況が2.0ポイント、売上高が5.0ポイント、採算(経常利益)が2.0ポイント、採算の水準が13.0ポイント、取引の問いあわせが5.0ポイントとそれぞれマイナス幅が縮小し好転の見通しとなっているのに対し、資金繰りと長期資金借入難易度はともに1.0ポイント、短期資金借入金難易度は2.0ポイント、マイナス幅が拡大し、金融関係については少々悪いとの見通しとなっている。更に、この来期の見通しについて、特徴的なこととして、1つは製造業において、業況が20.0ポイント、売上高が30.0ポイント、採算(経常利益)が40.0ポイント、従業員数が20.0ポイントとそれぞれマイナス幅がかなり大幅に拡大悪化の見通しである。これは、2月期の鉱工業生産動向報告による生産指数3ヶ月連続下方修正により、基調判断を「横這い傾向」から「弱含みで推移」になったこととも連動したものであろうか。2つ目は卸売業の見通しについて、業況のDI指数が来期はプラスに転化するのを始め、売上高が40.0ポイントマイナス幅が縮小し好転、採算(経常利益)と採算の水準もプラス、更に金融3項目が全てプラスとなり、大変明るい見通しになっていることは結構なことである。いずれにしても、緊急経済対策の早期実現により、景気回復の進展が望まれるところである。
 次に今期(1月〜3月期)における業種別の動向は、建設業が業況、採算の水準、取引の問い合わせについて、前期よりマイナス幅が僅かながら縮小して好転しているが、売上高、採算(経常利益)と金融関係の3項目は逆にマイナス幅が拡大し悪くなっている。製造業は業況がプラスからマイナスへと大きく落ち込んだほか、金融関係の3項目ともに前期より悪くなっている。卸売業では、業況は前期と変わっていないが、売上高、採算(経常利益)、採算の水準はマイナス幅が拡大悪化している一方で、金融関係の3項目は全てプラスに転化している。小売業については、業況、売上高、採算(経常利益)などがマイナス幅が縮小良くなっているが、売上高などのDI指数は▲56.1と依然大きく厳しい。サービス業では、業況、売上高、採算(経常利益)などマイナス幅は少しではあるが、縮小して良くなっているものの、資金繰りなど金融関係についてはそれぞれマイナス幅が拡大悪化している。
 最後に設備投資についてであるが、厳しい経済環境下にあるものの、投資計画ありが前期より5社増えている。また、設備投資計画の内容は設備更新、生産力増加、合理化の順である。
表T
           
売 上 高 採   算
(経常利益)
採 算 の
水  準
業 況 資金繰り 長期資金
借入難易度
短期資金
借入難易度
13年
1〜3月期

▲32.0

▲37.0

▲39.0

▲27.0

▲23.0

▲14.0

▲8.0
12年
1〜3月期

▲44.4

▲37.4

▲48.5

▲24.2

▲16.2

▲14.0

▲11.1


   
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