大津企業景況調査
 
● 全 体
(概 況)

回復基調のテンポは一時休息か
〜各項目でマイナス幅が拡大の傾向〜


 平成12年の最後となる今期(10〜12月期)の景況調査の結果がまとまった。今期の調査環境は、12月4日、経済企画庁から発表された2000年7〜9月期の国内総生産(GDP)は、実質で前期(4〜6月期)に比べ0.2%増となり、3・四半期連続でプラス成長を確保できたものの、低い伸びであった。とりわけ、昨年秋以降低迷を続ける最安値の株価、倒産やリストラによる失業率の悪化、そしてGDPの6割を占める個人消費が低価格商品購入指向の購買活動から景気浮揚力が弱いことなどにより、回復基調のテンポが崩れてきている。当地域の市場経済もこれらの影響を受けてか、景気認識としては、前期の一進一退より、更に厳しさが増していることが、今回の調査結果から窺えた。
 各調査項目を通じて、「良い」から「悪い」の割合を差し引いたDI指数は、前期(7〜9月期)の調査に比べて、従業員数が7.9ポイント、資金繰りが8.8ポイント、そして短期資金借入難易度が0.9ポイント、それぞれマイナス幅は縮小し良くなっている。しかし、それ以外の寧ろ主要項目である業況がマイナス幅が7.7ポイント拡大し悪化したのをはじめ、売上高が11.9ポイント、採算(経常利益)が3.8ポイント、採算の水準が0.3ポイント、長期資金借入難易度が8.8ポイント、取引の問い合わせが3.9ポイントなど、それぞれマイナス幅が拡大し悪化している。
 一方、来期の見通しについては、業況と売上高がそれぞれ2.0ポイント、17.5ポイントマイナス幅が縮小し良くなる見通しではあるが、その他については、今期と変わらない悪い状況、あるいはマイナス幅が少々拡大し悪化するとの見通しである。なかんずく、金融関係の3項目はともに悪く、明るい希望的な予測は見受けられないようである。  また、現在直面している問題点についても、回答数が若干減少気味で、その内容は売上の減少(来客の減少、買い控え、低価格指向)、競争激化による採算性の悪化、資金繰り難、人材・後継者不足などが多かった。その一方で、これらとは反対に、商品需要の低下をフォローするために新規需要の開拓、販売力強化を目指して推進中といった意欲的で積極的経営努力の表示もあり、沈滞化した雰囲気の中、強く明るさの感じられた企業もあった。
業種別では、従来どちらかといえば、やや後退的であった建設業では、業況においてマイナス幅が拡大し悪化しているものの、売上高や採算(経常利益)のマイナス幅が縮小し好転しているとともに、資金繰り、長・短期資金借入難易度の金融3項目については全てプラスに転化良くなっていた。製造業では、業況は前期と全く同じであるが、売上高や採算(経常利益)が悪化している。卸売業は、採算(経常利益)と採算の水準が好転している以外は、それぞれマイナス幅が拡大悪化している。また、小売業とサービス業でも、概ね同じ様な傾向でマイナス幅が拡大している。とりわけ、卸・小売・サービスの非製造業においては、金融関係3項目のマイナス幅が少々拡大しているという共通点が見られた。
最後に設備投資計画については、全体的に投資計画ありが22社で、前期の27社より5社減少しており、そのうち計画通り実施が13社、景気により見直すが5社、見直すが3社、不明が1社となっている。また、「投資計画あり」から「なし」を差し引いたDI指数は全体で▲44.3で、前期の▲34.3よりマイナス幅が10.0ポイント拡大し、投資意欲の減退傾向を示している。業種的には、サービス業が▲17.2となっており、以下製造業▲40.0、建設業▲42.1、卸売業▲60.0、小売業▲69.0の順で、大店法廃止後の小売業において、設備投資計画が少ない模様である。更に設備投資の内容については、合理化省力化と設備更新がともに10社、次いで生産力増加が3社、その他が2社となっている。省力化や生産力増加の回答の中にIT関連の投資が含まれているのかは本調査では直接判断できないが、新技術、新商品開発のための試験・研究的投資が多くあることを期待するとともに、そのノウハウや資金調達などのために設立されている各種機関の有効的活用も必要であると思われる。



   
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