大津企業景況調査
 
● 全 体
(概 況)

〜厳しい状況から、未だ脱しきれず、
一進一退の足踏みが続く〜


 先般、経済企画庁が発表した国民所得統計速報によると、2000年4〜6月期のGDP(国内総生産)は、実質で前期(1〜3月期)に比べて1.0%増で2・四半期連続のプラス成長となり、今年度の政府見通し1%成長は実現可能の模様といわれている。しかしながら、ゼロ金利の解除や低迷を続ける大安値の株価、総務庁発表による家計消費支出3ヶ月連続悪化に伴う消費水準の低下、一方県内では8月に月別倒産件数が過去最大の19件との民間リサーチ機関の発表など、依然として厳しい状況が続いているようである。

 これらを背景に今期(7〜9月期)の景気動向調査の結果がまとまった。その概要を各調査項目別にDI指数によって検討してみると、やはり全体を通じて一進一退の横這い、ないしは停滞傾向が顕著である。全般的には採算の水準が前期よりマイナス幅が4.1ポイント縮小、同じく短期資金借入難易度が4.1ポイント縮小し、好転している。その他、取引の問い合わせ、従業員数も少し改善されてはいるが、主要指標の殆どがマイナス幅が拡大し悪化傾向を示している。

 先ず、売上高についてDI指数は前期(4〜6月期)よりマイナス幅が5.0ポイント拡大し悪化している。同じく、採算(経常利益)は6.0ポイント、業況は8.1ポイント、資金繰りは6.0ポイント拡大し悪化している。殊に、資金繰りは対前年同期においても、マイナス幅が6.2ポイント拡大し悪化している。

 これを業種ごとに見ると、小売業ではマイナス幅が6.7ポイント縮小し好転しているが、建設業では19.7ポイント悪化している。以下、他の項目も絡めて業種ごとに着眼していくと、製造業では、売上高、採算(経常利益)、採算の水準、業況などの主要指標が全てプラスで順調に推移しているが、資金繰り、長・短期資金借入難易度の金融関係の項目は悪化している。卸売業・サービス業においても、資金繰りが少々悪く、総じて厳しい結果になっている。

 以上のようなことは毎回調査で開示されている「現在直面している経営上の問題点」においても、例えば、「市場金利の上昇による採算の低下」、「投資、拡張計画を実施したいが資金繰りが難しい」、「工事代金入金の手続きを変えられ、資金繰り困難」、「金融機関からの借入困難」など金融・資金繰りにかかる問題が多く寄せられている点が注目されるところである。従来から、直面する経営上の問題点としては、その殆どが、需要減少・競争激化による売上高の減少、低価格受注・原材料高騰による採算性の悪化、大型店進出による顧客の減少、後継者問題・人材難などであったが、今回のような資金繰りの問題と、今一つ最も今日的な問題として、雪印牛乳問題による売上高の減少、琵琶湖の水位低下による漁獲高の懸念、景気について昨年はやや上向いたが、今年になって先行きに明るさが感じられないなどの新しい問題の提起が今期調査の一つの特徴とも思われる。

 次に投資計画について、全国的にみてIT産業への投資が主力的で、これ以外への広がりに欠けているようである。今回の調査では、投資計画「あり」から「なし」を差し引いたDI指数はマイナス34.3で、その中で製造業のみがプラスであるが、卸売業をのぞいた業種ではそれぞれマイナス幅を縮小させており、何らかの投資意欲は窺えた。ただ、景気動向によっては見直しも考えているようである。また設備投資の内容については多数が設備更新で、残りが生産力増加、合理化のためで、新しい分野への進出を目的とするものはないようである。

 最後に、来期の見通しについて、売上高のマイナス幅が16.1ポイント縮小をはじめ、各項目全てマイナス幅が縮小して、好転する見通しとなっている。勿論、事業成績の向上は経営者自身の願いであり、ここに来て政府をはじめ関係機関の景気刺激策を最優先とする方針や、35年ぶりに中小企業指導法が中小企業支援法に改正され、経済政策として、意欲のある中小企業への支援体制整備に対しての期待感と併せて経営革新意識の積極化によるところのものと感じられる。

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