大津企業景況調査
 
● 全 体

(概 況)

〜回復基調にあるものの、統一的な改善傾向は
まだ見られず〜


 平成12年度最初の1・4半期における景気動向は、これまでの「経済再生」「景気浮揚」を再優先とした諸施策の推進と、これらを強力に推進するための関連法案の成立・施行などによって、企業活動にもやや積極性が現れ、自律回復に向けての動きが徐々に進んできている。しかし、これらの動向への反応の遅い地域経済や中小企業では、厳しい経営環境からの脱出にはまだ、多くの問題が残されていると思われる。

 このような状況の下にあって、今期(4月〜6月)の結果がまとまった。売上高をはじめとして、各項目ごとのDI指数の趨勢は改善傾向にあると見られる。全体を通して、業況が15.1ポイント、売上高が8.1ポイント、採算(経常利益)が13.1ポイント、取引の問い合わせが6.1ポイント、金融関係では、長期資金借入難易度が7.1ポイントと、それぞれ前期よりマイナス幅が縮小し好転している。これに対して、採算の水準が2.0ポイント、従業員数が4.0ポイント、資金繰りが3.1ポイントと、それぞれ僅少ではあるが、マイナス幅が拡大し悪化している。数字としては好転の幅が比較的大きく、悪化の幅が小さい結果となり、経済企画庁の報告通り、景気の谷は既に終わり、景気は上昇傾向にあるというのは事実のようである。ただ、調査対象企業から提起されてくる当面している経営上の問題点では、需要の低迷や集客力の低下に伴う売上高の減少、競争激化、仕事量不足による採算性の悪化、取引先の信用不安、売掛金回収の困難化による資金繰り、後継者不足など、依然として変わっていない。

 次に業種別に顕著な傾向を見る。建設業では、売上高のDI指数はほぼ横ばいである。採算(経常利益)、業況、金融関係などは前期より僅少ながら、マイナス幅が縮小し好転しているが、採算の水準では、マイナス幅が32.1ポイントも拡大し悪化している。製造業では、売上高が前期の10.0から今期は▲10.0と20.0ポイントも悪くなり、従業員数でもマイナス幅が10.0ポイント拡大し悪化している。これに対し、採算(経常利益)、業況、資金繰り、長・短期資金借入難易度などでは良くなっている。卸売業では、売上高がプラスに、採算(経常利益)や採算の水準は好転しているものの、業況がマイナス幅が10.0ポイント拡大し悪化のほか、金融関係の3つの指数も前期より悪くなっている。小売業では、売上高のマイナス幅が20.0ポイント縮小して良くなっているほか、採算(経常利益)、業況、従業員数、長・短期資金借り入難易度などは、マイナス幅が縮小して好転の傾向を示している。サービス業では、売上高のDI指数が、前期よりマイナス幅が10.0ポイント縮小しているほか、採算の水準、業況なども僅かながら良くなっているが、採算(経常利益)、従業員数、金融関係の指数は逆に少し悪化している。そこで、共通していえることは、各業種とその項目ごとの状況は全く区々別々に変化し、何か一過性の要因によって、比較的容易に作用するという状態で、その経営基盤はまだ、脆弱であるように思われる。

 さらに、来期の見通しにおいても、同様のことがいえるようである。業種別に来期の見通しについては以下の通りである。製造業では、設備投資計画もあり、各項目ごとの見通しはそれぞれ好転を志向している。小売業においても、各項目共におおむね明るい予測になっている。これに反して、建設業ではやや悲観的な見通しに終始している。このほか、卸売業では、設備計画を考えているが、それぞれの項目については、サービス業と同様、様々な見通しになっていて、今一つ安定性、明るさは乏しいという結果である。

 最後に、景気の谷といわれたのが、昨年の4月であるが、その4月〜6月期と今期同期との比較をしてみると、業況でDI指数が0.8ポイント、売上が16.8ポイント、採算の水準が16.8ポイント、取引の問い合わせが1.6ポイント、長期資金借入難易度が8.0ポイント、短期借入難易度が1.9ポイントと、それぞれマイナス幅が縮小しており、良い方向に推移している。ただ、採算(経常利益)のみがマイナス幅が4.3ポイント拡大している。これらのことから、大津市地域の経済動向は全国的傾向と乖離することなく、推移しているものと考えられる。


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