大津企業景況調査
 
● 全 体
---- (概 要)
〜景気は下げ止まりの傾向であるが、
個々企業間の格差は大きい〜


 今年1月〜3月期の実質国内総生産(GDP)の実質伸び率が対前期比1.9%増と予想外のプラスとなったことから、民間のシンクタンクでは経済見通しの修正が話題となっている。また、経済企画庁の6月の月例報告では「民間需要の回復力が弱く、依然として厳しい状況にあるが、各種の政策効果に支えられて下げ止まり、おおむね横這いで推移している」と発表している。しかし、景気動向の順応性が比較的遅い本県経済は、如何に推移しているのであろうか。

 今期(4月〜6月期)の売上高のDI指数は▲38.0と前期よりマイナス幅0.6ポイント悪化し、また採算の水準についても赤字傾向が前期より10.8ポイント多く、加えて従業員の過剰傾向もマイナス2.8ポイント拡大し、これらの結果が影響してか、資金繰りのDI指数は▲25.0で、前期に比してマイナス幅は9.8ポイント拡大悪化している。  反対に採算(経常利益)のDI指数は▲24.0と悪いものの、前期よりマイナス幅は14.5ポイント縮小、同じく、業況についてもDI指数は▲19.0であるが、前期よりマイナス幅は25.4ポイント縮小し、ともに好転に向かっていることが伺える。取引の問い合わせのDI指数は▲43.0と低調傾向であるものの、前期より0.4ポイント、僅かではあるが良くなっている。更に長・短期資金の借入難易度は毎回の調査と同様傾向で、あまり変わりなく、借入資金の導入は比較的円滑に進んでいる模様である。

 このように今期の調査結果では、国や県などの支援策をうまく活用して、好転の兆しが伺える企業と、依然として多重債務、過剰雇用、過大設備に苦しんでいる企業とが混在していて、全体的には複雑な状況になっており、各企業間での差違は区々である。

 また、産業別に今期の動向を見てみると、前期はかなり厳しい状況にあった製造業が、今期は売上高をはじめ各項目別のDI指数は、勿論殆どがマイナスであるが、前期に比してマイナス幅が全体的に縮小しており、好転への兆しは顕著である。この製造業に次いで卸売業と小売業にも、ともに少々問題はあるが、傾向としては一応、下げ止まりの状況である。ただ、建設業とサービス業については、売上高、採算の水準(赤字傾向)、従業員、資金繰りにまだ問題が残っているようである。

来期の見通しは、各業種を通じて、極めて慎重な見方が強い。これは今まで何度も好転を期待しながら、その実現に至らなかった現実感からのものと考えられる。

 次に、今期は本調査を開始してから、1ヶ年が経過したので、各項目ごとに5・四半期の時系列的推移や対前年比の比較検討が可能となった。
 「主要4項目DI指数推移グラフ(全体)」を参考に、全項目について対前年比を見ると、売上高のマイナス幅が8.9ポイント、採算(経常利益)が29.0ポイント、業況が26.9ポイント、取引の問い合わせが11.1ポイント、資金繰りが1.5ポイント、長期資金借入難易度が7.4ポイント、短期資金借入難易度が4.0ポイントと、それぞれ縮小し、傾向線は上向きを辿り、好転の兆しが見られる。ただ、長引く不況を反映してか、採算の水準(赤字傾向)は逆に24.8ポイントマイナス幅拡大して悪い。
 また、従業員についても11.8ポイント拡大悪化の傾向で、先に県職業安定課調べの本年5月における有効求人倍率が0.38倍で10ヶ月連続して全国平均を下回っていることが公表されている通り、従業員問題・雇用情勢は厳しい。
 産業別の推移についても、傾向的には今期の状況と同様で、製造業・卸売業・小売業の各主要項目はそれぞれ下げ止まり、横這い、ないし上向きとなっているが、建設業・サービス業については売上高・資金繰りなどに不安定な様相を残しているようである。

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